オンラインパチンコやオンラインパチスロが「日本の実機」を扱う流れが強まってきている。
自分のような「元店長」からすると、毎日のようにメンテをし、役目を終えれば台の入れ替えなどをしていた懐かしの実機がオンラインパチンコとオンラインパチスロに登場する最近の流れには「不意の再会」があり、思わずエモくなってしまうような感覚があるんだよね。
オンラインパチンコとオンラインパチスロによる粋な計らいの「再会」のおかげで、日本の実機のクオリティの高さや魅力に改めて感心させられもする。
もちろん最近のパチンコやパチスロを全否定するような気持ちはないものの、やっぱり、どうしても「あの頃のパチンコ台はよかったよな~」という回顧をしてしまうのは仕方ないよな。回顧ぐらいしか老害のおっさんには娯楽がないのだから、そこはどうか許していただきたい。
オンラインパチンコとオンラインパチスロの「再会」を通して、おっさん的にはもう一つ嬉しい発見があった。それは、中古のパチンコ、パチスロの実機が、海外で稼働しているということだ。
自分は店舗を維持することができずパチ屋を廃業させてしまった元店長だが、パチンコやパチスロの実機たちはまだまだ海外で現役で活躍している。それを想うと目頭が熱くなるものではないか、なんていうとさすがに言い過ぎだろうか?
というわけで、今回はオンラインパチンコやオンラインパチスロでも遊ぶことができる「海外で活躍中の実機」を紹介しながら、日本のパチンコの底力を改めて考えていけたらと思う。
日本で遊べなくなった実機も海外でなら現役で通用する
日本のパチンコ業界は「規制」によって左右されるため「遊べなくなる台」というのがどうしても出てきてしまう。そんな「遊べなくなった台」も、規制と関係がない海外でなら、バリバリ現役で通用する可能性を秘めている。
店長をやっていた時代、「規制で遊べなくなった台」を撤去することは、もっとも心苦しいことの一つだった。パチンコ台ってのは新台では50万くらいするわけで、入れ替え自体が手痛いし、それを愛して打っていた人たちのことも、どうしても考えてしまう。
「規制で遊べなくなった台」は、規制という都合で遊べないだけで、ちゃんとメンテナンスをすれば10年以上は遊べる機能を残したまま廃棄されてしまうんだよね。こんなにもったいないことは、なかなかないだろう。
多くのパチンコ台が廃棄されてきたなかで、一部のパチンコ台は一台数万円程度の廉価で転売されて、コンテナに大量に積まれてベトナムや台湾やグアムなどに運ばれていくという数奇な運命を持つことになった。現在、海外で活躍している実機は、このとき廃棄されずに生き延びた台たちだ。
とりわけ、海外で活躍しているような実機は、「日本製の機械製品」がまだブランドとして通用した時代の高性能高品質の商品であるため性能への評価は折り紙付きだ。人気が高いのも、そりゃ当然のこととうなずけるな。
海外のなかでも、ベトナムなどは「あの頃のパチンコの聖地」として、日本のパチンコ・パチスロファンの間でも人気が上昇している傾向がある。日本のパチンコ業界が落ち込んでいることの影響も大きいに違いない。
オンラインパチンコとオンラインパチスロという海外展開
遊べなくなった実機が海外で活躍するもう一つの流れとしては、「オンラインパチンコとオンラインパチスロでの復活」という流れも見逃せない。
オンラインカジノで遊ぶことが可能なオンラインパチンコやオンラインパチスロは、基本的にはまだ「オンラインカジノオリジナルのパチンコ・スロット」が主流だ。
しかし、ここに「往年の実機の復活」というもう一つの流れが生じつつあるのも、一方では事実だ。そのラインナップを見ると、四号機時代を彩った伝説のパチンコ・パチスロが散見されるのがじつに嬉しいところだな。
ベトナムなどでの「店舗型」の復活の際には、海外に渡航する実機の筐体が必要不可欠だったけれど、オンラインカジノで遊べるオンラインパチンコやオンラインパチスロの場合は、日本の実機を輸出入して再利用をする必要がない、というコスト的な強みがある。
オンラインカジノで遊ぶことができるオンラインパチンコ、オンラインパチスロは、場所代や人件費がかからないこと、「システム」だけ構築すれば新台を導入できることを考慮すると、機体が壊れて遊べなくなるという終わりがないことなど、今後は「リアルな実機を輸出入する海外展開以上の広がり」を見せるんじゃないかと期待できる。
ベトナムやグアムなどの「リアル実機」の海外展開と比較した場合に、「運営側」だけでなく「遊ぶ側」のコストも軽減されることもありがたい。これまでは渡航をしないと遊べなかった「あの頃の実機」を、スマホ一台で遊べるようになるというのは本当にありがたいことだ。
ミリオンゴッド、吉宗、北斗、アラジンなどの四号機は続々とオンラインパチンコ、オンラインパチスロの機体として導入されている。「四号機風」のオンラインパチンコやオンラインパチスロしかなかった初期に比べると、実機をめぐる状況は格段によくなっているのは明らかだ。
オンラインパチンコ、オンラインパチスロが続々と四号機時代の名機を導入している背景には、「輸出された実機」というリアルの実績が海外パチンコファンに与えた影響も大きいはずだ。
四号機時代の実機のほとんどすべてが網羅的に導入されて遊べるようになる未来もそう遠くはないだろうな。
ジャンルの制限と規制が日本のパチンコ業界を窮屈にしている
遊べなくなった実機がリアルでもオンラインでも打てる海外に比べて、日本のパチンコ業界は「パチンコ」というジャンルの制限と度重なる規制によってどんどん窮屈になっているというのが実情だ。
海外で活躍している日本の実機について考えていくと、パチンコ・スロットをめぐる日本のいびつな現状が浮き彫りにされるような部分があるのはいなめない。
そもそも、まだ現役でも遊べるはずの日本の実機が海外でしか活躍できなくなってしまっているという状況自体が、日本のパチンコ業界が引き起こした「自業自得」の事態であることについては、日本人の悲劇として受けとめなければならないだろうね。
もちろん、出玉規制などの背景にはパチンコ依存症や、射幸心を煽りすぎる実機による借金地獄や自殺などの社会問題があることは確かで、そういった問題を解決させるための規制であることだけは理解することができるし、受け入れることもできる。
だが、日本のパチンコ業界は、この規制をあまりにも厳しくしすぎたことで、パチンコ・スロット自体の息の根を止めてしまったのではないか、とも思われるのだ。
現在稼働中の実機の可能性は、実機の演出を派手にすることくらいにしか開拓の余地がなく「ハリボテ」としての要素を強めているだけということができる。
多くの日本人スロッターが『革命機ヴァルヴレイヴ』に食いついたのは、当然ながら『革命機ヴァルヴレイヴ』の演出が優れていたためではない。『革命機ヴァルヴレイヴ』が例外的に「規制以前」のような射幸心を煽る実機であったからだ。
「例外的」という言葉を使ったように、今後の日本のパチンコ・パチスロにおいてはこういった「例外」も出てくることはなくなることが予想される。
「演出過多の新台を作ることしかできない」という状況が続く限り、日本のパチンコ業界の衰退は進む一方だろう。
「パチンコの本当の楽しさ」を知るためには、海外に輸出されている実機を現地で打つか、オンラインパチンコ・オンラインパチスロを打つしかないという現況は、「規制」によってすべてが決定されてしまう状況がある限り変わらない。むしろ、ますます拍車がかかっていくに違いないね。
海外で実機が活躍しているということは「ノスタルジー」としては嬉しいことではあるのだが、それは同時に「現在」の日本のパチンコに失望しているということでもある。
「渡航して打つか、違法性を理解したうえでオンラインで打つか」という二択しかなくなっているからこそ、「日本でもあのころの実機が打てる」というパチンコ業界の英断が待たれる。
海外ではパチンコをギャンブルとして扱うことができる
実機の輸出にせよオンラインパチンコ・オンラインパチスロの充実にせよ、海外のほうがパチンコが軽やかに展開する理由としては、海外ではパチンコを「ギャンブル」として扱えるから、というのはかなりデカいだろうな。
パチンコは日本の賭博法では許可されておらず、あくまで「遊戯」として扱われているために、取り扱い方にやや面倒さや厄介さが発生する。
ところが、海外の場合はタテマエとしての「遊戯」ということをすっ飛ばして、シンプルに「パチンコはギャンブルのひとつ」として扱うことができるため、日本に比べてギャンブルとしての展開が容易になる。
実機を集めた店舗を営業をするにせよ、オンラインパチンコやオンラインパチスロという形態を活用するにせよ、まっすぐに「ギャンブル」として扱えるというだけで、その身軽さはまったく違ってきてしまう。
つまり、「ギャンブル」それ自体が禁止されていない国ならば、どこでもパチンコ・スロットの普及が可能だということを意味しているわけだ。
しかも、ただ普及するばかりではない。これは、「日本の実機」が、その本来のスペックを発揮できる、もっとも輝ける場所がすでに日本ではないということを意味してもいる。
オンラインパチンコとオンラインパチスロにおける日本の実機の活躍は、「パチンコ・スロットのポテンシャルがもっとも輝く場所」としての海外というものが確定的なことになった事態としても受け止めることができるよね。
海外で活躍する日本の実機にまつわるまとめ
海外で活躍する日本の実機の現状から見えてくるものをまとめると、以下のようになるだろう。
- 日本で遊べなくなった実機はもう海外でしか遊べない
- 店舗でもオンラインでも日本の実機の復活と活躍が目立つ
- 日本のパチンコ・スロットは海外のほうが性能を発揮できる
パチンコ・スロットの海外展開について考えると、「日本のパチンコ業界」が手をつけずに放置していた様々な問題が、ことごとく海外において反転してほぼ解決している気がしてならない。
特に、オンラインパチンコ、オンラインパチスロが四号機を続々と導入しているネット上の現状は、パチンコファンが見る夢が現実化しているようでさえある。
この「海外での日本の実機の活躍」を目にして、日本のパチンコ業界が何も感じず行動も起こさないというのであれば、日本のパチンコ業界の未来はますます暗いものになるだろう。
とはいえ、日本のパチンコ業界がいくら衰退したところで海外のパチンコ事情が充実しまくってるならそっちで楽しめばいいわけで、実際のところは何の問題もないし、元店長的には「クラスメイトが海外で活躍してる」みたいで感動的だよね。