若いころからパチンコ業界に関わってきたおっさんからすると、パチンコ業界の衰退は身に染みるものがあるね。
身に染みるというか、自分もその衰退のあおりをガッツリ受けた形で、店長まで上り詰めたパチンコ店が潰れてしまって、いまではパチンコとは縁もゆかりもない仕事をしているわけで。
店長から一転して無職。とにかく食い扶持を稼がねばってことで、40過ぎからのバイト雇用は正直かなりキツかった。
ようやく雇ってもらえたホテルスタッフで数年働いて、最近になって正社員になれたこともあって、やっと生活に多少の余裕が出てきたところだ。
バイトとして馬車馬のようにホテル業務をしている間は、生活に追われてパチンコのことなんか思い出すヒマもなかったけど、余裕が出てくるとやっぱり考えてしまうのはパチンコのことばかり。
パチンコがいかに暇人の娯楽なのかってことが、余裕が出てくるとあらためてよくわかりますな。とはいっても、それほど暇でもないんだけども。
ともかく、人間として最低限度の生活ができるようになってパチンコに興味関心が戻ってきたのは事実。で、自分が店長やってたころとはだいぶ状況が変化してることがわかり、それがなかなかおもしろい。
状況の変化を痛感し、パチンコへの関心を取り戻すきっかけになったのは、オンラインカジノなどで遊ぶことができるオンラインパチンコだ。
そこで、パチンコ業界にがっつり関わっていたころの回顧も交えつつ、最新のパチンコについての備忘録的なホームページ(年齢がバレる言い回しだわな)を始めてみることにしたわけだ。
パチンコ業界にも押し寄せるオンライン時代の波
猫も杓子もネットの時代だから、パチンコ業界もオンライン時代の波から逃れることはできなかった、といったところだ。
オンラインパチンコに興味を持ったのは、ホテル業務の合間でもパチンコを楽しめそうだったからだ。生活にゆとりが出てきたとはいっても、正直、パチンコのホールに早朝から足しげく通うほどの余裕はないという厳しい現状なんだよね。
一日中パチンコが打てる無職や年金生活の人たち、時間があまっている大学生がうらやましいが、いまはちょっと、体力的にも金銭的にも時間的にもそれはちょっとむずかしい。
時間と場所を問わずにパチンコが楽しめるオンラインパチンコは、いまの生活とピッタリであるというだけでなく、パチンコ業界の今後の展開を考えたり過去のパチンコを回顧するうえでも興味深いという理由も重なって、おのずとオンラインパチンコに惹かれていく流れになった。
オンラインパチンコというパチンコの新しい遊び方は、いまちょうど「普及するかどうかがまだわからない」という評価が定まらない段階にあると思う。だからこそ注目に値するのでもある。
また、オンラインパチンコというものが、時代を代表する懐かしの実機などを導入していることなども回顧厨には嬉しいところだ。
「最近のパチンコはつまらない」と言われることが増えてきたことを考えると、この「当時の実機が打てる」という要素は、オンラインパチンコにとっては相当の追い風になるんじゃないかね。
勝利金が出るオンラインパチンコと勝利金が出ないオンラインパチンコ
オンラインパチンコは、リアルマネーで遊ぶことができ勝利金も出るオンラインカジノのオンラインパチンコと、777town.netに代表される勝利金が出ないオンラインパチンコの二種類にわかれている。
この二種類のオンラインパチンコは、勝利金が出る違法のオンラインパチンコと、勝利金が出ない合法のオンラインパチンコという風に言い換えることもできる。
そもそもパチンコというのは、厳密には「ギャンブル」ではなく「遊戯」という扱いになっている。パチンコで勝利金が出るってのは、実際は違法なんだよね。
いうまでもないが、パチンコ店の三店方式による出金てのは、「実態はギャンブルだけどギャンブルではない」という遊戯であるパチンコが合法的に勝利金を出すための苦肉の策であるわけだ。
で、この三店方式を採用しているために、パチンコ業界っていうのは「合法のオンラインパチンコ」という明らかに儲かるはずの新機軸の展開を打ち出せずにグズグズしていた。
競馬や競艇や競輪なんかの公営ギャンブルは、まっすぐに合法のギャンブルであったから、オンライン時代にすぐに簡単に適応することができた。
パチンコ業界はこのオンライン時代への適応からは完全に出遅れた形になる。三店方式による勝利金の出金を前提にしている以上、それを合法的な出金システムにしてオンライン化するための抜け道が見つけ出せなかったからだ。
「抜け道」として考案された三店方式がオンライン時代においては「足かせ」になってしまったのだから、まったく皮肉な話だわな。
日本のパチンコ業界が手をつけられない利ザヤを持っていくオンラインパチンコ
その「手つかずの利ザヤ」をごっそりと持って行ったのが、海外に拠点を持つオンラインカジノのオンラインパチンコってわけだ。
オンラインカジノは運営拠点を海外に持っているから、そもそも日本のパチンコ業界みたいに「遊戯」であることを気にする必要がない。だから、オンラインカジノはパチンコを「ギャンブル」として正面から扱うことができるんだよね。この特権はかなり強い。
オンラインカジノでは、いかにもカジノらしいスロットが主流で、そういうオンラインスロットがパチンコユーザーに訴えかけることはあまりなかったんだけど、最近になって、パチンコに力を入れているオンラインカジノがちょこちょこと増えてきている状況がある。
さすがにオンラインカジノ側も「パチンコ導入したら儲かるんじゃね?」と気づかないワケがなかったってところだろうな。
一度導入されてみたら展開は早くて、オンラインカジノのオンラインパチンコが、「オンラインカジノのオリジナルパチンコ」の登場から「日本の実機で遊べるオンラインパチンコ」に発展するのにそれほどの時間は必要とされなかった。
「まるであの頃のホールにいるかのような」という錯覚さえ与えられる現在のオンラインパチンコは、懐かしの四号機時代の名機なども取り揃えており、「パチンコがつまらなくなった」という旧来のパチンコファンの心をガッツリとつかんでいるように感じられる。
オンラインで実機が打てる、あの頃の名機で遊べる、という要素だけなら777town.netのような合法オンラインパチンコで遊べば十分かもしれないが、ハッキリいって「勝利金が出ないパチンコ」なんてのは遊ぶ価値がまったくないというのが現実だろう。
「実機」「あのころ」「勝利金」という三つの要素が合致した瞬間に、はじめてオンラインパチンコの可能性が開かれるということができる。オンラインカジノが着手したのは、まさにこの可能性の領域だ。
「オンラインカジノで遊ぶこと自体が違法」というデメリットだけが最大のネックではあるが、それ以外に関してはオンラインカジノのオンラインパチンコは、パチンコファンが夢見た「オンライン時代のパチンコ」の最適解であることだけは間違いないだろうな。
パチンコ業界の衰退とは反対の方向へ向かうオンラインパチンコ
私見ではあるが、パチンコ業界の衰退の原因とは反対の方向に向かっているのがオンラインパチンコであるようにも思われる。
パチンコ業界が衰退したのは「パチンコがつまらなくなったから」だが、つまらなくなってしまった根本には「勝てなくなった」ということが挙げられるよね。
演出だけはド派手になっていく一方で、それは「煽り」でしかなく当たらないというような新台が開発されるばかりでは、パチンコファンの心が離れるのも当然。
出玉規制以降、表面的にだけクオリティが上がっていく新台を入れるたびに遠のいていく客足をリアルタイムで見てきて廃業にまで追い込まれた「元店長」からすると、衰退は止まらないことが予想される。
オンラインカジノのオンラインパチンコに関しては、まず、そもそもが「日本の出玉規制と関係がない」という利点がある。
実際に勝てるかどうかはさておき、規制レベルで「勝てない」というのが常態になってしみついているパチンコファンからすると、「規制がない」っていうのはそれだけで魅力的じゃないかな。
遊べる機種が懐かしの名機だったりすることも、「演出過多」で、熱いリーチなのかどうかもわからなくなって光と音による不感症状態になっている往年のパチンコファンにとっては、嬉しい要素だろう。
オンラインカジノのオンラインパチンコには「そうそう、パチンコってこんな感じだったよな」という懐かしさが確かにある。演出で破壊されてバグってしまった脳を、オーソドックスなパチンコ体験が正してくれる。オンラインパチンコにはそんな感覚があるね。
オンラインパチンコはパチンコ業界のありえたかもしれない未来
オンラインパチンコは、日本のパチンコ業界の「ありえたかもしれない未来」なのかもしれない。
日本のパチンコ業界が、オンラインパチンコのような「演出過多ではなく規制もない」という方向に向かっていれば、あるいは自分も失業することがなかったのかも……。そんな「パラレルワールド」を想像させてくれることも、個人的にはオンラインパチンコのひとつの魅力のようだ。
失業することを通してパチンコ業界を冷静に眺める視線も手に入れられたし、オンラインパチンコという新しい波に乗ることができた。そのことを考えると「パチンコ業界の衰退や失業にも意味があったのかもしれんな」と自分を慰めることができる。
ホテル業務の合間や休日にオンラインパチンコを通して懐かしのパチンコを回顧する。そんな余生も案外悪くはないものだね。
それに、オンラインパチンコで「パチンコへの情熱」が取り戻されたら、またホールに遊びにいきたいとも思う。
回顧的にパチンコの今を語り残しながらパチンコのこれまでとこれからのことをゆっくり考えていきたい。そして、愛するパチン子ちゃんと一生を添い遂げていきたいね。