「オンラインカジノオリジナルのスロット」ではなく、「日本のパチスロ」がオンラインで遊べるようになった「オンラインパチスロ」がじわじわと定着しつつある。
現在はオンラインパチスロで遊べるオンラインカジノ自体はそれほど多くはない。なんだかんだ、まだまだオンラインパチスロよりオンラインスロットのほうが優勢な状態だわな。
オンラインパチスロで遊ぶことができるパチスロはいまのところは四号機が主流で、最新の機種などが導入されているケースはほとんどない。
オンラインパチスロの今後は、オンラインパチスロという新しいゲームを導入したオンラインカジノがどの程度の支持を得られるかによって大きく変化してくことが予想されるんじゃないかね。
オンラインパチスロ自体を取り扱うオンラインカジノが増えた場合、それだけ「ほかのオンカジとの違い」を意識してオンラインパチスロ全体の幅が広がることになるだろうから眼が離せない。
その場合に期待されるのは、4号機以外の有名人気機種の海外での稼働や保存という激アツの展開だね。
オンラインパチスロは、4号機が打てるという現在の状況だけでもかなり熱いのだが、そこに、新規の人気機種が導入されるならば、他の追随を許さない一大コンテンツとなるに違いない。
オンラインパチスロとオンラインスロットのあいだの深い溝
オンラインパチスロとオンラインスロットというのは似た言葉ではあるけれど、じつは違う対象をさしていて、そこには深い溝さえある。
とはいえ、これは熱心なパチスロファン以外にはピンとこないことかもしれないし。オンラインカジノでオンラインスロットを打ったことがない人にもよくわからない話かもしれないな。
まず、パチスロというもの自体が、日本特有のスロット文化でありパチスロ特有のジャンル的な発展を遂げてきたということをおさえておく必要がある。
そのうえで、まずは「パチスロとスロットは違う」という区別をつけておかないと、オンラインパチスロとオンラインスロットの溝は把握しにくい。
ややこしいのは「スロット」と「オンラインスロット」の間にも、すでに大きな溝ができているということで、その間の溝は「パチスロとスロット」以上で、むしろ「スロットとオンラインスロット」のほうが違いが広い幅であることもある。
整理してみるなら、以下のようになるだろうか。
- スロット=主にアメリカのカジノなどで発展したスタンダードでオーソドックスなリール式のスロット。一般的にイメージされるコインを入れてリールを回しシンボルをそろえる「スロット」のこと。
- パチスロ=日本のパチンコ店で遊ぶことができる日本型のスロット。リール式であるところが「スロット」と同じだが、映像の演出など日本のパチンコ文化特有の発展を遂げているところに特徴がある。
- オンラインスロット=オンラインカジノで遊ぶことができる独自のスロット。すでに本来の「スロット」の形をしていないもの、非リール型のゲームが多数含まれている。と同時に、旧来のリール式のスロットも包括してはいる。巨大な「ジャンル」であるために、おおざっぱにすべての違いを無視して「オンラインスロット」と呼んでしまうことがあり、混乱の原因となっている。
- オンラインパチスロ=オンラインで打つことができるパチスロの実機。実機であるところが重要である。ジャンルとして巨大な「オンラインスロット」のなかの一部ではあるが、オンラインカジノで多く遊ばれているオンラインスロットが「パチスロの実機」ではない以上、オンラインパチスロという独自のジャンルを形成していると判断するのが賢明。
オンラインスロットは、オンラインカジノの内部で独自の発展と進化を遂げていて「これをスロットと呼ぶことは許されるのか?」と言いたくなるくらい、本来の「スロット」の原型をとどめていないものが多い。
「パチスロ」と「スロット」の間に見出せるわずかな共通項さえ、「オンラインスロット」と「スロット」、「オンラインスロット」と「パチスロ」との間にはまったく見出せないということも、稀ではない。
そのためオンラインカジノ独自の変化を遂げたオンラインスロットは、日本のパチスロに慣れている人間からすると「これはスロットではないし、ましてやパチスロであるはずもない」と判断される傾向があり、あまり支持を得ることができなかった。
要するに、「オンラインスロットを打つなら、日本のパチンコ店でパチスロを打っていたほうがいい」というのが、オンラインパチスロが登場する以前の、パチスロファンの主流の考え方だったといっていいだろうね。
ちなみにこれは「オンラインスロットを打つなら、リアルのカジノでオーソドックスなスロットが打ちたい」というタイプのスロット好きと共通する感覚でもある。
オンラインでパチスロが打てるということは革命的な事件だった
「オンラインでパチスロの実機が打てる」ということは、オンラインカジノのオンラインスロットには抵抗があったパチスロファンの関心を一気にオンラインへと引き寄せることに成功したという点で革命的な事件だったということができる。
そもそも、勝利金が発生するかたちでパチスロを打つ方法は、オンラインパチスロが登場するまでは「日本のパチンコ店に足を運ぶ」という選択肢一択しかなかった。
オンラインスロットが「パチスロ」とはまったく似ていない、オンラインカジノオリジナルのゲームであったことから「オンラインでパチスロを打つ」という選択肢は存在しえず、日本のパチスロファンは、パチンコ店に縛り付けられている状況が長く続いていたといえる。
だから、「勝利金も発生するオンラインパチスロがオンラインカジノに導入される」ということが、それ自体いかに革命的な出来事であるかは明らかであるだろう。
さらに、オンラインカジノがオンラインパチスロを導入することの意味は「4号機のパチスロを打つことができる」というもう一つの要素によって、さらに強化されることになった。
オンラインパチスロは「パチンコ店に足を運ばなくても実機のパチスロが打てる」「すでに規制によって打つことができなくなった過去の台が打てる」という二つの点において、こと日本のパチスロファンにとっては格別の意味があり、オンラインスロットに含まれるひとつのジャンルであると同時にそれからはハッキリと峻別される独自性を持っている、ってところだな。
オンラインパチスロが打てるオンカジはまだ少ない
オンラインパチスロが導入されたこと自体は革命的な出来事なのだが、まだオンラインパチスロが打てるオンカジはそれほど多くはなく、むしろ少なすぎるくらいだ。
「パチスロ風オンラインスロット」を除外した場合、実機のパチスロが遊べるオンラインパチスロは、いまのところは新クイーンカジノ以外には見当たらない。
新クイーンカジノには多数のパチスロが導入されているため、新クイーンカジノだけでもオンラインパチスロを十分に堪能することは可能だが、オンラインパチスロの今後を考えると、新クイーンカジノ以外のオンカジも大胆にパチスロを導入してほしいというのが正直なところだ。
新クイーンカジノでは、初代まどマギ、バジリスク、モンスターハンター、北斗、サラリーマン番長、麻雀物語、シンドバッドアドベンチャー、ミリオンゴッドなどの往年の実機を打つことができる。
新クイーンカジノの現在の傾向としてはオンラインパチンコのほうが新機種なども取り扱っていて、オンラインパチスロのほうがやや新台導入に出遅れているという感じだ。4号機以降のパチスロ導入に関しては、今後の展開が待たれている状態になっている。
オンラインパチスロの今後を考えると、新クイーンカジノだけにがんばってもらうのはやや荷が重いというのもあるため、オンカジ全体がパチスロを重視するような流れが望まれる。
オンカジという場所は、一つの特化型のオンカジができると、それを模倣するような形で、同ジャンルのオンカジが出てきたり、大手オンカジがそのジャンルを取り入れ強化するような流れがある。たとえば、仮想通貨特化型オンカジやスポーツベット特化型オンカジなんかが、その代表といえるだろうな。
その流れで、オンラインパチスロもいま以上の支持を集めたならば、オンカジオリジナルのオンラインスロットしか導入していないオンカジにも導入される可能性は高い。
オンラインパチスロが発展するためには、パチスロファンにオンラインパチスロという選択肢がより広く知られる必要がある。
ただ、残念なことにオンラインパチスロの知名度はまだパチスロファンの間でも決して高いとはいえず、オンラインパチスロのことをまったく知らないままホールに通い続けているパチスロファンのほうが多いんだよな。
日本のパチンコ業界がスマスロを導入したりだとか、パチスロしかないホールが新規開店するなどの展開で、現在はパチンコよりパチスロに力を入れていることもあって、オンラインパチスロにユーザーが流れてくるまでにはまだ時間がかかりそうではある。
だが、現在のホールをにぎわせている『ヴヴヴ』などの最新機種がオンラインパチスロに導入され、往年の4号機などと並行して遊べる日はそう遠くないという楽観的な予想も、また成立しうるだろう。
オンラインパチスロの定着と今後のまとめ
4号機稼働がメインのオンラインパチスロの定着と今後についてのまとめると、次のようになる。
- 日本のパチプロファンにはまだオンラインパチスロがあまり知られていない
- 現在は4号機が主流だが知名度が上がれば最新機種の導入も期待できる
- オンラインスロットに比べてオンラインパチスロで遊べるオンカジはまだ少ない
パチスロがオンラインで、しかもリアルマネーで遊べるようになったのは喜ばしいことだが、まだまだ黎明期の段階にあるというのがオンラインパチスロの現状だろう。
オンラインカジノ全体の流行から見ると、オンラインパチスロという新しいオンラインスロットの領域はまだまだ小さいパイでしかないが、オンラインカジノ側がこの小さいパイの大きな可能性に気づいた瞬間がターニングポイントになるのではないかと予想される。
日本のパチスロ業界と比較しても、海外のオンラインパチスロのほうが将来的な発展や伸びしろは期待できる。まあ、オンカジの今後の人気次第ではあるけどな。