オンラインパチンコはまだ生まれたての過渡期のジャンルであるため、企業努力は評価できるものの、「痒い所に手が届く」というところにまで行っていない部分もある。
そのうちの一つに「なんであの機種が導入されていないんだ?!」というフラストレーションが挙げられる。
だが、これはオンラインパチンコだけの問題でなく、リアルのパチンコ店でも十分にあることで、パチンコを打つために入ったものの目当ての台がないということは、オンラインとオフラインを問わないパチンコ全体の「あるある」でもあるわな。
リアルのパチンコ店の場合はさらに「稼働終了」とかいうのもあるわけで「機種がない」はより深刻かもしれない。
その点でも、オンラインパチンコの魅力は「名機が打てる」というアーカイブ性にこそあるわけだ。
だから、オンラインパチンコの今後は、「いかにして、かたっぱしから名機を導入できるか?」にかかっていると言い切ってしまってもいいと個人的には思う。
たとえば、パチンコの名機といえばだれもが名前を挙げるであろう「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン」がいまだオンラインパチンコに導入されていないのは、オンラインパチンコにとっては損失レベルじゃないだろうか。
だが、オンラインパチンコにユニコーンが導入される日はそう遠くはないだろうという予感があることも確かだ。今回は、スマホを片手に寝ころびながら快適にユニコーンが打てるかもしれない近未来へと少しばかり思いをはせてみたい。
ガンダムユニコーンの稼働貢献終了という衝撃
2021年登場以降パチンカスの脳汁分泌に多大な貢献をした機種、ガンダムユニコーンが2023年2月に稼働貢献が終了したというニュースは、パチンカスの記憶には新しいよな。
ユニコーンといえばパチンカスが選ぶパチンコ大賞パチンコ部門では優勝をするほどの名機であり、低迷を続けていたパチンコ業界の一筋の希望のような機種であったことは多くのパチンカスが同意するんじゃないだろうか。
当然、それほど求められた機種であったから稼働貢献もダントツだったのがユニコーンだ。そのユニコーンの稼働貢献が終了というのだから、これほどの大事件はなかなかない。今年のパチンコニュースのなかでもトップクラスであることは間違いないだろうね。
ユニコーンの稼働貢献は80週続いたというから、これは、10週持てばいいレベルの稼働という稼働貢献の基準からするととんでもない記録だ。
新台入れ替えのたびに稼働にまったく貢献できず消えていくクソ台がほとんどのなか、ユニコーンは低迷するパチンコ業界のなかでは相当な奮闘を見せていた。
もちろん、稼働貢献が終了したからといってユニコーンでまったく遊べなくなってしまったというわけではなくユニコーンが置かれているパチンコ店はまだある。だが、稼働貢献が終了したということは、時間をかけてゆっくりと消えていく流れのなかにあるということではある。
パチンコに関しては、記録に残る機種が記憶に残る機種でもある。音楽やスポーツなど記録はあるが愛されていないというようなことがたまにあるが、パチンコではよほどのことがない限り、記録と記憶がズレるということはない。
ユニコーンは、2020年代の初めを彩る名機種として、今後もパチンカスのあいだで語り継がれて、「また打ちたい懐かしの名機」たちの一連の流れのなかにその名を連ねていくことになるはずだ。
スマホアプリで遊ぶことができるユニコーンに価値はあるのか
稼働貢献が終了してホールからの撤退も時間の問題となっているユニコーンについては、スマホアプリ「777Real」にてプレイすることができる。だが、スマホアプリで遊ぶことができるユニコーンに果たして価値はあるのかという点では疑問が残る。
当たり確率、ラッシュ突入率、継続率、出玉などの設定はホールそのままに移植され、リアルマネーを賭けて遊ぶことはできないものの「ユニコーンで打つ楽しさ」だけは楽しめるというのが、スマホアプリ版のユニコーンの特徴である。
ユニコーンのように、スマホアプリにゲームだけが移植されて配信されるというケースはあるが、そこにはパチンコの醍醐味であるところの「勝利金」というものが発生しない。
ギフト券などをもらったところで、そこに本当の喜びも脳汁もないというのが、スマホアプリでパチンコを打つことの実状だろう。それは、オンラインパチンコと呼ぶにはふさわしくない「中途半端なオンライン化」でしかないだろうな。
月額の利用料や「アイテム課金」などをしてまで、スマホアプリでユニコーンをプレイすることに意味はない、と感じつつも、それでもパチンカスがスマホアプリでユニコーンを遊ぶしかないのは、「やがて打てなくなるから」だ。
オンラインパチンコにユニコーンが導入されるということは、2020年代を代表する名機種を、このような不幸で無意味な環境でしか遊べない状態から救い出すという意味を同時に持つことになるんじゃないだろうか。
パチンコ業界の流れは速く、稼働貢献が終われば次の新台が矢継ぎ早に出る状況だから、また80週クラスの人気機種が登場するのも、おそらくは時間の問題だろう。
だが、このような「焼き畑農業」にも似た稼働貢献終了による人気機種の撤退というようなことを繰り返していることもまた、パチンコ業界の長く続いてきた悪弊とはいえないだろうか。
オンラインパチンコは、この「貢献できないなら使い捨て」という形で捨てられてきた無数の機種たちに、もう一度光が当てられる場所として価値を見出されてもいいのではないか?と自分は考えるわけだ。
オンラインパチンコのアーカイブ性とギャンブル性
オンラインパチンコの最大の魅力はアーカイブ性とギャンブル性の二つを兼ね備えているところにあるだろうね。
アーカイブ性というのは、現在は4号機などの復活などで見て取れるように、「パチンコの図書館」としてのオンラインパチンコの役割だ。
オンラインパチンコが登場し、4号機時代の名機が「実機で打てるオンラインパチンコ」として復活したとき、もう二度と打てないと思っていた機種をあの頃のようにまた打てることに歓喜したパチンカスは少なくないはずだ。
なんせ、オンラインパチンコが出るまではベトナムや台湾やグアムなどに渡航し、中古品となって輸出された過去の名機を打つ以外に、「再会」の選択肢はなかったのだから、オンラインパチンコのアーカイブ性が果たす役割はとてつもなくデカい。
ユニコーンは、その名機にふさわしく「パチンコの図書館」であるオンラインパチンコのアーカイブにその名を並べるべきだ。オンラインパチンコがいまだにユニコーンを導入していないことに「遅れ」を感じるのは、稼働貢献終了からすでに半年以上が経過している以上は当然のことじゃないだろうか。
もう一つはギャンブル性である。ハッキリ言って、ギャンブル性が抜き取られたパチンコなど、炭酸が抜けたコーラほどの価値もないというのが、パチンカスの総意であるだろう。
オンラインパチンコは、パチンコというものを「遊戯」ではなく「ギャンブル」として正当に扱うことによって、「打てなくなったパチンコ」をアーカイブするだけでなく、そのギャンブル性をも回復させている。
「ギャンブル性がない状態でゲームだけは遊べる」という現在のユニコーンが置かれている状態は、みじめな延命処置に過ぎないというのは、言い過ぎだろうか。
スマホアプリで遊べることから見えてくる明るい未来
もちろん、スマホアプリでユニコーンが遊べるという現状からは、ユニコーンにまつわる明るい未来が見てくるのでもある。
というのも、スマホアプリで遊ぶことができる(デジタル化して配信ができる)ということは、それが「オンラインパチンコに導入することができる」ということも意味しているからだ。
実機の輸出がないと再稼働ができない海外のパチンコ店などと違い、オンラインパチンコに関してはサーバーとシステムさえあればいくらでも実機を復活させ、再稼働させることができるのが強みだ。
海外に渡航した4号機たちが、日本ではない場所で完全復活を遂げたように、これからの時代の名機たちは、もう一つの「オンラインパチンコ」という復活の場所を手に入れた形になる。
実際、オンラインパチンコというオンカジの新しいジャンルが導入していった過去の実機たちの多くは、777タウンなどでまずは「賭けられないスマホアプリパチンコ」としての中途半端な復活が先行していたのだから、ユニコーンの復活は大いに期待できるといったところじゃないかな。
なにはともあれユニコーンが完全復活するためにはオンラインパチンコへの導入が必須であり、オンラインパチンコで復活したユニコーンは、ほかの復活した名機たちがそうであったように「稼働貢献」などという枷がないまま半永久的に遊べるパチンコとしての命を手に入れることになるのである。
われわれパチンカスが家で寝ころびながらユニコーンを打つことができるオンラインパチンコ時代の到来を熱望するのは決して怠惰からではなく、自分たちを楽しませてくれたユニコーンという名機をこんな形では死なせたくはないという情熱こそが、その期待の根底にはあるんだよね。
ユニコーンのオンライン化に関するまとめ
ユニコーンのオンライン化について考えてきたことをまとめるならば、次のようになるだろう。
- 2023年の2月にユニコーンは稼働貢献を終了してしまった
- 現在のスマホアプリでユニコーンを打っても勝利金は出ない
- オンラインパチンコに導入されて初めてユニコーンは完全復活する
オンラインパチンコにユニコーンが導入される日は、ユニコーンにとってだけでなく、おそらくは、オンラインパチンコにとっても歓迎されるべき歴史的な日になることは間違いない。
オンラインパチンコというアーカイブとギャンブルの新しいパチンコのかたちは、新台入れ替えだけで進行していったパチンコの歴史に、もう一つの時間制を導入するということでもあるのかもしれない。
パチンコ店の新台導入以上に、「あのころの名機」がオンラインパチンコに導入されることの喜びが大きいということを、オンラインパチンコで遊ぶパチンコはすでに知っているはずだ。
その新時代の喜びを彩る機種としては、ユニコーンの導入以上にふさわしい出来事はないだろうな。